記憶も新しい2019年、ニコンから性能も価格も超ド級のミラーレスZマウント用レンズ『NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct』が発表され話題となりました。
本レンズAi-s Noct-Nikkor 58mm F1.2は、Noct(ノクト)の名を冠したその前身とも言うべき一本で、その発売は40年以上前のこととなります。
そのNoct Nikkorの特徴はと言うと、大口径レンズの設計で問題となる収差がいくつかありますが、その中の『サジタルコマフレア』を絞り開放から補正、可能な限り排除するというものです。
サジタルコマフレアとは、点像が羽を広げた鳥のように像が崩れることで、星空や夜景を撮影する際に大きな問題となる現象です。
通常のレンズではシャッタースピードを稼ぐため絞り開放で撮影すると、より顕著にサジタルコマフレアが発生してしまいますが、ニコン Noct-Nikkor 58mm F1.2は絞り開放でも点を点で写し出すことができる、他のレンズには無い唯一の特性を持った珍しいレンズです。